国連の障害者権利条約「第二条 定義」においては、「合理的配慮(原文reasonable accommodation)」とは、「障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。」と定義され、「第二十四条 教育」において、「障害者が、差別なしに、かつ、他のものと平等に高等教育一般、職業訓練、成人教育及び生涯学習の機会を与えられることを確保する。このため、締約国は、合理的配慮が障害者に提供されることを確保する」と定められました。

国内では、これを受けて「障害者基本法」が改正され、第四条第1項で障害を理由とする差別の禁止を規定し、第2項で「社会的障壁の除去は、それを必要としている障害者が現に存し、かつ、その実施に伴う負担が過重でないときは、それを怠ることによって前項の規定に違反することとならないよう、その実施について必要かつ合理的な配慮がされなければならない。」と障害者権利条約における合理的配慮の考え方を盛り込みました。

その後、国は平成25年「障害者差別解消法」にて、行政機関等は、「障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。」とし、合理的配慮の提供を義務付けました。なお、同年の障害者基本計画(第3次)「高等教育における支援の推進」にて、大学等が取り組むべき基本的方向性が示されました。こうした国際社会の動向、国内の法整備の中で、長崎大学においては、「長崎大学における障害者差別解消等の推進に関する規則 」を設け、障害者差別解消に取り組んでいます。