令和6年(2024年)3月に文部科学省より「障害のある学生の修学支援に関する検討会報告(第三次まとめ)」が公表され,改正障害者差別解消法(令和6年4月施行)と併せて大学等における障害のある学生へのサポートがさらなる展開へと動き出しました。

長崎大学では,平成25年度の文部科学省の「障がい学生支援関連事業」に基づき,障害のある学生に対する全学的な支援体制の強化と円滑な修学支援を目的に,平成25年(2013年)8月1日に,障がい学生支援室(通称「アシスト広場」)を設置しました。

また,平成26年12月には,学長裁定により「長崎大学における障害のある学生への支援に関する理念及び方針」を制定し,本学における障害のある学生への支援体制と内容及び障がい学生支援室の目的をより明確にし,広く公表しました。

障がい学生支援室では,保健センターなど学内各部局の教職員と連携しながら,以下の領域を中心に積極的に取り組んでいます。

① 入学前のニーズに対して進路や大学での支援に関する相談対応

➁ 障害のある学生の個別ニーズに合わせた,合理的配慮の検討と調整

③ 各種研修会や公開講演会の開催により,学内外における「障害」にまつわる意識改革と啓発活動

➃ 障害のある学生の卒業・修了後の就職等の進路を見据えた支援の拡充

⑤ アクセスサポーター(障害のある学生をサポートするピアの学生)の養成と活用

⑥ 学内バリアフリーに関する調査及びバリアフリーマップの作成と発行

➆ 修学支援機器・備品の整備

また,支援に関する情報共有の場として,学内各部局を代表する委員で構成される「障がい学生支援連絡会議」を年6回開催し,合理的配慮に関する情報を提供するとともに部局が抱える課題についての共有を行い,支援の充実および必要な改善策の検討等を行っております。

行政機関や長崎県内の関連団体に加え,県内外の大学等と連携体制を推進し,サポート体制の拡充と強化に努めています。

なお,合理的配慮に関する認識も高まり,障害の影響を受ける学生のニーズが多様化している現状で,配慮の検討や提供が複雑になる場面も増えています。そういう中,障害の影響に関係なく全ての学生の学修に役立ち,個々の教員の負担軽減にもつながると期待される「学びのユニバーサルデザイン(UDL)」の概念に基づく工夫等の導入も推奨しています。

令和7年度には本学が当番校として九州・沖縄地区の国立大学による「障害者支援に関する大学間連携情報交換会」を開催しますが,障害のある学生本人をはじめ,ご関係のみなさまとともに関連サポートの一層の充実を図って参りたいと考えておりますので,ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

2025年2月
障がい学生支援室長 伊東 昌子